「ことこと。」 全4巻 竹林月
- 2008/08/16(土) 00:06:41
★★★☆☆読む人をあまり選ばないまったりとした作品。強い訴求力には欠けるか。
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〜作品紹介
東京から船で約30時間。孤島「琴古島」にやってきた新任教師渚青子。
教師として、島の一員としての新しいスタートをきる。
都会の喧騒を忘れさせるゆったりとした時間の流れや人々との触れ合い。
自然に満ち溢れた日常の中で見つけた大切なものとは〜
1年半前本屋で出会い衝動買い。
まったりとした空気に惹かれ、購入を続けてた作品。
08年の8月発売の4巻を持って完結ということで、レビューを書いてみる。
このマンガを一言で表すならスローライフマンガ。
このマンガが始まったときには「スローライフ」やら「田舎暮らし」やらが流行っていたような気もするので、それに乗っかって始まったのかもしれない。
奔放な快活な主人公青子を始めとする登場人物たちは、一癖ありつつも皆まっすぐで優しい。
そんな人間性を育むような舞台「琴古島」
このマンガで終始にわたり徹底されてるのはまったり感。何気ない日常のすばらしさというもの。
それは十二分に伝わってくる。そこを見れば及第点は与えられる作品なのかもしれない。
問題はそれが果たして面白いのかということ。
粗を探せばいくつかあるが、結論から言うと「つまらなくない」レベルにとどまってしまっている気がする。
ギャグのキレ。作画のクオリティ。キャラクターの造詣。どれをとってもいまいち盛り上がりに欠ける。
読んでいる間つまらないと感じることは決してないが、読み終わった後果たして定価分の何かを読者の心に残せているか、何度も読み返したいと思わせる事ができているか、そのあたりに少し疑問を抱かざるを得ない。
日常を魅せるという点で大きなハードルである「よつばと」が浮かんでしまうのも、このマンガにとって大きなアドバンテージになってしまったように感じる。
東京から船で30時間という「非日常」の中に「日常」を見出すこのマンガに対し、「よつばと」は「日常」の中から「日常」を見出している。
方法論の違いで面白さを一概に比べることはできないけど、どちらが難しいのかを考えれば、あずまきよひこがやってのける着眼というものが類まれなるものであるかを痛感する。
もう一化けを期待したかった惜しいマンガ。好感は持てた。
「恋ヶ窪★ワークス」 全1巻 大森しんや
- 2008/06/17(火) 06:43:11
★★★★☆万人向きではないかもしれませんが一応おススメ
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作品紹介
〜バイク雑誌「ミスター・バイク」紙上でにて別冊付録として連載してたものの単行本化。
バイクを通して様々な人と出会い、成長をしていく少女。何の変哲も無い小さなバイク屋「恋ヶ窪★ワークス」を舞台に元レディースあやめが奮闘するハートフルドラマ〜
ということで、ちょっと異色な出のマンガ。
自分はバイクに微塵も興味ないので、このマンガの連載自体知らなかったし、単行本が出ることも知らなかったんだけど、絵柄に惹かれて衝動買い。
細かく書き込まれた画。デフォルメが巧く、魅力的なキャラとコメディ。押し付けの感じられないいい塩梅の人間ドラマ。まぁあとバイクの描写。
非常に高水準でまとまった良作でした。
元レディースのあやめは訳あって恋ヶ窪★ワークスで勤めることになる。
この「訳」が作中で徐々に語られていくことになるんだけど、とにかく主人公でもあるあやめは少し過去にとらわれてる少女。
恋ヶ窪★ワークスのオーナーでもある「ボス」も腕利きのメカニックではあるんだけど、これまた過去に何があったとか、店の成り立ちとかが語られることは一切無い。
登場人物の心情描写は一番根っこの部分を語る事無く、お客さんとの触れ合い、仲間と参加するレース等いろんなイベントを通して徐々に成長をしていくあやめを中心に描いていく。
物語の終盤でそれら語られる事の無かった部分の謎解きも含めて、作品全体が終わりへとシフトしていくんだけど、ソコの展開だけは頂けなかった。
多くは語らずの含みを終わらせる展開自体に不満があるというよりは、大元の設定に対する説明が圧倒的に不足しているような気がするんだよなぁ。
バイクをメインテーマに据えてても、最終的に描かれているのは人間、人生といったモノで、作品全体のジャンルは?と聞かれたら「青春グラフィティ」な気がするので、余韻を残す終わり自体は演出的にありだと思うけど、落としかたにちょっと納得がいかなかったのは残念。
演出というか、味といわれれば納得できなくも無い範疇ではあるけども。
活動する媒体が限られてるせいか、今まで知らなかった作家さんだけど、非常にいい感じのマンガを描く人だなぁと思った。
この人がどの程度活躍してて、他にどんな作品があるのかちょっとわからないけど、この人の作品は好きな部類にはいるかも。
「狼と香辛料」 1巻 小梅けいと
- 2008/05/17(土) 15:48:08
★★★★☆「狼と香辛料」に興味がある人なら買って損はないかと。
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作品紹介
〜旅から旅へ。孤独な行商に明け暮れる日々を送るロレンスの元に、耳と尻尾を備えた娘ホロが現れる。
その娘は豊作の神と崇められていた賢狼ホロだった。
孤独に飽いたロレンスは、ホロを故郷のヨイツまで送るべく2人での旅を始める〜
こんなコミカライズばっかりだったら大歓迎なんだけどなぁと思えるほどの出来。
電撃系に限ったことではないけど、ラノベのコミカライズって言うと、内容的にもビジュアル的にも「薄い」ってイメージがある。原作のイラストレーターより画力の低い新人とかが作画やってて、2,3冊で終わるってのが定番な気もするんだけど、この作品はそんなレベルじゃない。
まず作画のクオリティ。
ちょっと幼さというか、萌えを強調しすぎたホロのデザインには多少の賛否は上がるかもしれないが、画力は文句なし。
原作の魅力の一つでもある中世の世界観をしっかり伝える、描き込まれた背景。
会話の間、商人同士の駆け引きといったものも、演出やコマ割りが巧くしっかりと表現できている。
原作にある2つの大きな魅力「中世の経済」「ホロのキャラクター」の内、キャラクターの強みを魅せるべくしっかり作られてる。
決してキャラ一辺倒というわけでなく、作品の武器、作家の武器、そういうのをしっかり踏まえた上でちゃんと作られてる印象。
デザイン的にホロの見せる「老獪な狼」というところは少し弱いような気もするんだけど、それもわかった上で「可愛さ」を推してきてるんだろう。コレはコレでいい気がする。
コミカライズをするにあたって「小梅けいと」を持ってくるあたり、メディアワークスも「狼と香辛料」に本気なのかな。
萌えホロというかキャラクター作品はこのコミックで補って欲しい。
原作には物語の部分をしっかりとして変に延命措置はしないで欲しいんだけど……。
「ヘタリア」 1巻 日丸屋秀和
- 2008/05/15(木) 22:43:09
★★★☆☆
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作品紹介
〜砂漠でパスタを茹でちゃったり
戦車部隊で小銃&槍に負けちゃったり
10日かけて60km進軍して逃げるときは1日だったり
遊び好きで女好きで逃げ足の速いヘタレだけど愛すべきイタリア!
「彼」と世界の愉快な仲間達を描いて話題の脱力系コメディマンガ!〜
面白かった。
トリビアマンガに終始せず、画のタッチを上手に生かした擬人化でキャラクターをも立たせてるのは見事。
特にキャラだよな。
伊はもちろんのこと、独も米も英も仏も日もみんな可愛すぎ。
腐女子の方々がカップリングしたがるのも納得。
個人的にはもうちょっと日を掘り下げて欲しいかも。
ただ値段を鑑みると決してコストパフォーマンスはよくないし、1冊の漫画としての完成度って点を見れば、粗は幾つも目に付く。
キャラクターの多さや、画の完成度から一部のキャラの判別がつき難かったり、歴史ネタも対象が1貫してるわけでなく、ネタにしやすいものだけピックアップしたという印象だな。
自分の高校が世界史未履修で、世界史の基礎知識がちょっと抜けてるっていうのもあるのかもしれないけど、相関関係や歴史の流れについても少し説明が不明瞭じゃないかなというところもしばしば。
コレは書籍化にあたって編集がついてたんだろうから、その時点でなんかしらの方策を考えるべきじゃなかったのかな?
元サイトを見てたわけじゃないので、書き下ろしの量がどれほどのものかは定かじゃないけど、これで1000円は少し割高かなぁ。
画のクオリティ的にも4コマだから大判にせざるを得なかったのはわかるけど、Webマンガの書籍化で20万部って……幻冬舎ウハウハなんじゃないだろうか……。
巻末に2巻へ続くってあるけど、今後どうなっていくんだろうか?
正直現状だとちょっと中途半端な感もあるし、いっそキャラ漫画にしちゃえばと思う。
もし歴史要素は外せないというなら、もう少し深みや毒がほしいところ。
「穴街の彼等」 1巻 ハラカズヒロ
- 2008/05/10(土) 16:32:22
★★☆☆☆
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作品紹介(裏表紙より抜粋)
〜母を捜してこの街を訪れたカナコは、長身、白衣、メガネの青年医師、ニイクラ先生にひと目ぼれ!
問題は、粗暴、乱暴、凶暴、なカナコの性格。
まだ小学生ながら、先生の世話ををしているソウは気が気じゃない。
今日もカナコは街の建設業者の皆さんと大立ち回り…〜
ハラカズヒロの商業誌デビュー作と謳ってはいるが、残念ながらこの人が同人でどれだけ名を馳せたのかを知らない、ある意味先入観を持つ事無く読めた。
で結論から言うと、まぁ面白いっちゃ面白いし、つまらないっちゃつまらない、という微妙な感想です。
このマンガ「穴街」という街の中心に大きな穴が開いてる街を舞台にしたシチュエーションコメディーなわけなんですが、シチュエーションに面白みがまったくない。
というか、1巻の時点でほとんどその「穴」のことに触れてないんだよね。
で、キャラクター中心にコメディっていくわけだけど、その部分はまぁ、ありがちではあるけど楽しめる。
ただ、破天荒系ヒロインとかマセガキタイプの子役とか、過去背負ってます感バリバリの優男風のキャラとかテンプレのオンパレードだから目新しさは皆無。
この人の売りなのかどうかはわからないけど、確かに裏表紙にある「キュートでハートフル」というのは虚偽ではないけど、それもずば抜けているかと言えば、首を傾げざるを得ない。
それよりもマイナー系のマンガにありがちな説明不足で勢い重視の展開とか、動きの流れがわかりづらいコマ割とか粗がどうしても目に付いてしまう。
もう少しギャグのキレなり、ぶっ飛んだキャラなりがあれば……。
人を選ぶと言うか、ハマる人はハマるだろうなって感じ。
まぁレーベル的にもそれで充分なんだろうけど、自分はちょっと入っていけなかったかな。







