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「土星マンション」 1巻 岩岡ヒサエ
- 2008/04/17(木) 23:33:57
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作品紹介
〜地球全体が保護区域となった時代―
人間は地上遙か35,000メートル上空のリング状建造物で暮らしていた。
中学卒業と同時に、建造物の窓を拭く仕事に就いた少年・ミツ。
自分の存在と仕事の意味を探して、今、宙(そら)へと踏み出した〜
舞台設定と心情描写が秀逸だなぁというのが第一印象。
地球と宇宙との狭間で生きる人々の生活や生き様を、中学を出たばかりの窓拭き屋ミツの視点を通して描いていくこの作品は、ともすればSFの香りも感じられるが、一番のテーマは人間ドラマにある。
地表から35,000mの大気に身をさらすという過酷な仕事にその身をおきながら、ミツが出会うものは人と人とのつながり。
それは決して、暖かなものだけでなく、どんなに文明が発達しようと変わることのない醜いものでもあったりする。
その清濁を積極臭く押し付けるのではなく、素朴で風合いのあるタッチの画と、デフォルメを程よく利かせたコメディタッチで描かれたキャラクター達が、無理なく魅せてくれる。
伏線バリバリな展開でも、ガッチガチなSFでもないけど、なんとも味のある近未来人間ドラマって感じ。
IKKI内でのらみみとテイストが被ってるような気もしないでもないけど、大丈夫かな…?
舵取りしだいでは「プラネテス」的にもいけなくはないような気もするけど、このゆる〜い感じで次巻以降も続いて欲しいな。
「ヨイコノミライ完全版」 全4巻 きづきあきら
- 2008/02/10(日) 15:42:31
裏「げんしけん」って感じ。
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作品紹介(裏表紙より抜粋)
〜日々、漫画とアニメの雑談に興じてばかりの門倉高校漫画研究会。
部長の井之上は、やるきの見えない彼らに部誌の発行を提案する。
そんな中、ささいなきっかけで漫研に入部することになった、青木杏。
入部早々、杏は巧みに彼らの自尊心を刺激し、漫研の平穏でぬるい日常が大きく揺らぎ始めた……〜
学校に漫研があって、そこに趣味を同じにする仲間がいて、気になる異性もいたりしちゃう。
オタクの誰もが憧れる「げんしけん」的ぬるま湯。
ソコに思い切ってメスを入れた作品。
作者自身があとがきで「オタク文化を好きだからこそ暗い部分もなかったことにしたくなかった」と語ってるように、オタクと言う人たちの持つ負の面をこのマンガはしっかりと描いている。
それはもう、読んでてつらくなるほどに、的を射てる
他者との距離感を巧く保てない人間であったり、無根拠に自分の未来を楽観視する人間であったり、自分と近しい人間の成長に異様なまでの嫉妬と疎外感を感じたり、作品に対して批判をすることで悦に入ってみたり。
自分に都合のいい現実しか見ようとせず、それ以外の現実からは目を逸らし、夢は人一倍語るくせに、真摯に努力する根性はさらさらない。
オタクってカテゴライズは趣味によってなされるもんじゃないんだなぁと再認識。
卵が先か鶏が先かって議論にはなりそうだけど、そういう気質の人間がたどり着く先がアニメやマンガなのかもしれないと感じた。
掲載誌が廃刊になり、未完のまま宙ぶらりんになった作品を、今回復刊&書き下ろしで完結部を収録って流れでた完全版らしいので、正直ラストのまとめはすこし強引かなぁとも思わなくも無い。
伏線というか、まとめ切れてないキャラクターが何人かいたのは少し気になったかな。
ただ、それでもこのマンガのインパクトの持つ意義は十二分あると思う。
最終的には「オタク」を肯定するのかなと思った所でのラストのシーンは凄く衝撃的だった。
「げんしけん」好きな人にはぜひ読んでみて欲しいなぁ。
あとなんとなく「NHKへようこそ」のラストに納得行かなかった人にもおすすめかも。
「俺はまだ本気を出してないだけ」 1巻 青野春秋
- 2007/11/15(木) 12:49:37
読む人によってガラリと印象が変わるかもしれないな。このマンガは。
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作品紹介(裏表紙より抜粋)
〜「俺は漫画家になる」と40歳で会社を辞め、夢を追いかけ始めたシズオと彼に振り回されて「いい迷惑っ!」な家族を巡る、苦笑い哀愁ドラマ。男のロマンと哀愁たっぷり。ナイスおっさんコメディー〜
らしいんだけど、随分とホラーなマンガを読んじまったなぁという感想。
Amazonのレビューなんかでは、「G戦場ヘブンズドア」とか「吼えろペン」とかいわゆる漫画マンガの括りに入れてる人も居たけど、自分はとてもそんな気にはなれなかった。
「わにとかげぎす」とか「ボーイズオンザラン」とかと、同じ雰囲気を感じた。それよりももっと濃いけど。
とにかく主人公シズオのダメ人間ぷりが凄い。
高校生の娘を養わなきゃいけない立場にいながら、とりあえず会社を辞めてみたりしちゃうし、漫画家に成りたいとかいうのも、会社を辞めてからふと思い立ったことだしね。
挙句の果てに、描きたいものが自分の中に見つからないとかいってスランプに陥っちゃうし。
結局そこを笑える人にとっては「哀愁コメディー」になるんだろうし、自分を見てるようで笑えないという人にとっては「心の奥底のなんかどす黒いものを撫で回される」マンガになるんだろうとか思った。
この手のマンガって読むのが恐いんだよな。
このシズオが成功したら「現実はそんな甘かねぇよ」ってなるし、失敗したら「やっぱこういう人間はダメなんだ」って落ち込むし。
なんだけど、シズオの飄々としたダメ人間っぷりがキャラクターとして面白いのは確かなので、ついつい続きが読みたくなってしまう。
お勧めは出来るけど、読むのは自己責任でって感じのマンガかな。
人によってはもしかしたら軽く鬱に入るかもw
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