「散人左道」 全2巻 水上悟志

  • 2008/08/19(火) 21:29:37

★★★☆☆3・5ってところかな。ソツのない出来ではあるけど、人に薦めるほどのものでは…。
散人左道 1 (1) (ヤングキングコミックス)
散人左道 2 (2) (ヤングキングコミックス)
あらすじ
〜銀髪黒眉毛の胡散臭いフブキは「左道黒月真君」の名を持つ仙人。
弟子のよるを連れて修行の旅を続けるフブキは徐々に運命に呑まれていくことになる。
過去の因縁との戦いの果てにフブキを待つものは…〜

デビュー作ということもあってかなんとも水上悟志って感じの作品。
初期の作品だけあって粗い作画もまぁ水上悟志っぽい作品てことでご愛嬌かな。

温さというか斜めな感じのかっこよさを描くのはデビュー時からこの人の十八番だったのか。
「正道にあらざるもの、ゆえに左道」ってのは主人公の台詞。
誰にも負けない真っ直ぐで強大な力を使う主人公ってのはありがちだけど、少ない力を無駄なく使い飄々と詐術を用いて敵を倒すってタイプが主人公なのは珍しい。

少年マンガだとまずこの手の主人公は出てこない。
うまく描くことができれば、こんなにかっこいいタイプもいないと思うんだけど…やっぱ一般的ではないのかな?
ダイの大冒険のポップなんか人気高いような気もするんだけど。

序盤は仙道コメディなフワフワしてる感じだったのが、割と早い段階でバトルものになっちゃってるのは編集の意向なのか、作者の意向なのか?
アクションはもう少し画力があってこそ映えるような気がしないでもないし、仙道という作品のテーマも魅せ方次第ではあまり派手なアクションものでなくてもよかったようにも感じるけど、やっぱり「戦い」ってエッセンスは必要だったんだろうか?

弟子と師匠の関係性とか、微妙な恋心とか、描きたいものをいろいろ詰め込んで消化し切れなかった感はなくもないけど、このマンガがあってこそ、現在連載してる「惑星のさみだれ」があるんだろうなって気が強くする。
水上悟志が好きな人は読んどいてもいいかも。

漫画ナツ100参加

  • 2008/08/18(月) 21:15:02

去年はやろうかなと思ってるうちに募集期間が終わってしまった漫画ナツ100。
酔拳の王だんげの方 漫画ナツ100
今年のお題は「10巻以内で完結している作品」とのことで、最低ラインでの参加は100じゃねぇじゃんって気もしますが、せっかくなので参加。

1.プラネテス、幸村誠、講談社
2.風の谷のナウシカ、宮崎駿、徳間書店
3.レベルE、冨樫義弘、集英社
4.ハチミツとクローバー、羽海野チカ、講談社
5.あずまんが大王、あずまきよひこ、メディアワークス
6・ぼくんち、西原理恵子、小学館
7.ボーイズオンザラン、花沢健吾、小学館
8.G線上ヘブンズドア、日本橋ヨヲコ、小学館
9.皇国の守護者、伊藤悠、集英社
10.サイコスタッフ、水上悟志、芳文社
11.ソラニン、浅野いにお、小学館
12.かみちゅ、鳴子ハナハル、メディアワークス
13.S60チルドレン、川畑総一郎、講談社
14.素晴らしい世界、浅野いにお、小学館
15.サムライうさぎ、福島鉄平、集英社
16.頑張れ酢飯疑獄、施川ユウキ、秋田書店
17.わにとかげぎす、古谷実、講談社
18.みえるひと、岩代俊明、集英社
19.ロボとうさ吉、加藤和恵、講談社
20.東京トイボックス、うめ、幻冬舎
21.天使のフライパン、小川悦司、講談社
22・住めば都のコスモス荘、矢上裕、メディアワークス
23.泣くようぐいす、木多康昭、講談社
24.P2!、江尻立真、集英社
25.MR.MORNING 、高山 しのぶ、一迅社
26.ヨイコノミライ、きづきあきら、小学館
27.リンガフランカ、滝沢麻耶、講談社
28・おさんぽ大王、須藤真澄、エンターブレイン
29.男爵校長、OYSTER、双葉社
30.モンスターキネマトグラフ、坂木原レム、徳間書店

ということで最低ラインの30作品。
一応上から順にお勧め度が強くなってます。
ぶっちゃけリストの作成よりも、順位付けの方が時間がかかりました。
割と名作と呼ばれるものを選んでますんで、16、17、23、26、あたり以外はそんなに人を選ばないんじゃないでしょうかね?

なんであれが入ってないんだとか、思うところはいくつかあるとおもいますが、基本的に自分が所有してる作品の中から選ぼうというのがあったので、こんな感じになりました。

今回この企画に参加するにあたって改めて、自分のマンガ道の浅さを思い知らされることになりました。
面白いと評判だったりするのに、読んでないマンガ、持ってないマンガが多すぎorz
本格的にマンガを買い集めるようになったのはここ数年のことなんで仕方ないっちゃ仕方ないんですが、まだまだ精進せねばなぁという思いは強く感じました。

ひとつひとつ講評なり思うところを書こうかなと思ったんですが、量の前に断念。
夏休みお暇だという方は、このリストを参考にマンガにふけってみては?

「ことこと。」 全4巻 竹林月

  • 2008/08/16(土) 00:06:41

★★★☆☆読む人をあまり選ばないまったりとした作品。強い訴求力には欠けるか。

ことこと。~子と孤島~ 4 (Flex Comix)ことこと。~子と孤島~ 4 (Flex Comix)
(2008/08/09)
竹林 月

商品詳細を見る

〜作品紹介
東京から船で約30時間。孤島「琴古島」にやってきた新任教師渚青子。
教師として、島の一員としての新しいスタートをきる。
都会の喧騒を忘れさせるゆったりとした時間の流れや人々との触れ合い。
自然に満ち溢れた日常の中で見つけた大切なものとは〜

1年半前本屋で出会い衝動買い。
まったりとした空気に惹かれ、購入を続けてた作品。
08年の8月発売の4巻を持って完結ということで、レビューを書いてみる。

このマンガを一言で表すならスローライフマンガ。
このマンガが始まったときには「スローライフ」やら「田舎暮らし」やらが流行っていたような気もするので、それに乗っかって始まったのかもしれない。

奔放な快活な主人公青子を始めとする登場人物たちは、一癖ありつつも皆まっすぐで優しい。
そんな人間性を育むような舞台「琴古島」
このマンガで終始にわたり徹底されてるのはまったり感。何気ない日常のすばらしさというもの。
それは十二分に伝わってくる。そこを見れば及第点は与えられる作品なのかもしれない。

問題はそれが果たして面白いのかということ。

粗を探せばいくつかあるが、結論から言うと「つまらなくない」レベルにとどまってしまっている気がする。
ギャグのキレ。作画のクオリティ。キャラクターの造詣。どれをとってもいまいち盛り上がりに欠ける。
読んでいる間つまらないと感じることは決してないが、読み終わった後果たして定価分の何かを読者の心に残せているか、何度も読み返したいと思わせる事ができているか、そのあたりに少し疑問を抱かざるを得ない。

日常を魅せるという点で大きなハードルである「よつばと」が浮かんでしまうのも、このマンガにとって大きなアドバンテージになってしまったように感じる。
東京から船で30時間という「非日常」の中に「日常」を見出すこのマンガに対し、「よつばと」は「日常」の中から「日常」を見出している。
方法論の違いで面白さを一概に比べることはできないけど、どちらが難しいのかを考えれば、あずまきよひこがやってのける着眼というものが類まれなるものであるかを痛感する。

もう一化けを期待したかった惜しいマンガ。好感は持てた。